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Capture2――『能力者』



「これ、今月の金です」
そう言い、男の1人がもう1人に金を差し出す
「……毎月これだけのお金を手に入れるのも大変でしょうに」
「こいつが……少しでも目覚める可能性があるなら幾らだって惜しみはしないさ」
金を渡していた方の男がそう言い、ベットに寝ている人物の頬に手の甲を当てる
そこに寝ている少女は口に人工呼吸器を付け、身体には心電図の配線が付いていた
「待っててくれよ……いつか必ず、この地獄から救ってやるからな……」

その寝ている少女に優しく微笑めかけた後、男はその部屋を出て行った……




新宿の華やかな部分の裏側
ボロボロなアパートが沢山並ぶ区画がある
その中の一室に明と良は住んでいた
「……今月もギリギリだな」
明が通帳を片手に溜息を漏らす
前にも言ったが決して稼ぎが悪いわけではない

と、そこへ「ガチャ」と言う音を立て玄関の扉が開く――良だ
「しっごとの依頼持ってきたよ〜♪」
「どーせいつものナンパのついでだろ」
良のナンパ成功率は中々のものだ、だが相手が相手
高校生からOL、とてもでは無いが大きな収入にはなりえない
「俺の事どう見てるのさ明」
「どうって……見た目どおりだろ?」
良が軽く怒った素振りを明に見せたが、いつもの事と言わんばかりにそれを軽くあしらう
「そんな事言って良いのかな〜?」
しかしいつもとは違い、良が顔をニヤニヤさせている
流石にいつもと違う様子に明は微かに期待を感じた
「今回の依頼は人捜しだよ」
「……人捜しって、小学生やら中学生の家出捜索か何かか?」
人捜しと聞き、内心やはりいつもどおりかと明は思った
しかしそれでも良がニヤニヤし続けているのだけは気になった
「フフン、今回のはただの人捜しとは違うよ
なーんと成功報酬100万円だー!」
「!――ひゃっ――んん、100万って……どこぞの金持ちの娘か何かですか?」
何故か敬語になる明、誰だって金には弱いものである
「んーん、依頼主さんはOLかなぁ?仕事までは聞かなかったけど美人秘書ッ!て感じがした
んで、肝心のターゲットだけど、はいこれ」
そう言って明にそのOL風の女から預かった書類を渡す
そこに書かれていたものは
『伊神 久住(いがみ くずみ)、26歳
職業 無し』
それと顔写真のみ
「で、依頼主さんとのかんけーは?」
「ヒモ」
「……OK、分かり易い説明をありがとう」
明は何となく呆れながらに納得をした
まぁ確かに自分が飼っている相手が逃げたんなら高い金払ってでも連れ戻したいものだ
独占欲が強いのであれば尚更に
(……だが100万なんて金をそんなOLが出す物か?)

「んーまぁ良いや、透視宜しく」
何かが引っ掛かるものの100万の魅力にはやはり勝てない
明は良に能力によってターゲットを捜すよう指示する
「りょーかい……と言いたいけど本人の持ち物が無いから今回は千里眼使うしか無さそうだけど」
「げ……大丈夫か良?
ただでさえ捜索範囲が確定して無いのに最も消費が激しい千里眼なんか使って」
千里眼、1Km先までを全ての無機質を無視して見る事が出来る力
ただ東京は広い、もしかしたら県外にいるかもしれない
しかも最も眼を凝らす必要のある能力なので非常に疲れる
この能力が楽に使えるのであれば良は道行く女性全員の裸を拝んでいるかもしれない
「……なんか今変な解説つかなかった?」
「何訳分かんない事言ってんだよ、やるならさっさとやるぞ、今月はピンチなんだ」
「へーい」
金の事を言われると文句も言えた物では無いと良が眼の神経を研ぎ澄ませ周囲を見入る
「って、ここからの範囲なんてたかがしれてたな
とりあえず街中行った方が良いか……いや、隠れるなら別の――」
明が考えを馳せている間も良は千里眼を止めてはいなかった
理由は簡単である――――
「居たよ明」
「んー、依頼人の実は近くと言う可能性も――」
「明!」
「なんだよ五月蝿い声出して」
「居たんだって」
「何が?」
「何がじゃなくてターゲット、伊神久住」
「……えらくあっけなく見つかったな……」
何はともあれ、明と良は千里眼によって発見した伊神の元へと向かった



ぼろアパートが並ぶ住宅街の一画にある比較的大きな公園
そこにターゲットである伊神久住は居た
早速明が近寄り声を掛ける
「あんたが……伊神久住さんか?」
その声に相手側も反応を見せる
「……誰だよお前」
「実は――おい良」
「ん、なに明?」
「依頼主の名前なんだ?」
それを聞いてハッとなる良
聞き忘れていた明も間抜けだが、言わずに話を進めた良も良である
「“立花 桔梗”って言ったかな?」
「だそうだ、その立花桔梗さんがあんたを連れ戻したいとさ」
ここまで話して相手の様子を伺う――が、何か変である
伊神はその名を聞いてもピンとこなかったのか首を軽く傾げる
その反応を見て、明もつられて首を傾げる
「んー、ぁ……そだ、確かその立花さんが言ってたな会えたら“ラボはいつでも歓迎する”と言ってくれって」
「……ラボ?」
その言葉を聞き、明が一瞬何かを思い当てる
そしてそれとほぼ同時に伊神が豹変した――――
「……そーか、あいつが俺を戻させようって言うのか
と言う事はお前らは敵――だな」
その言葉はひどくドスが利いていて、信じられない殺気を同時に放っていた
「チッ――良離れろ!!
こいつはッ――――能力者だ!!」
「――!?」
明に言われ良が咄嗟に身を後方へと投げ出す
相手もこちらが普通じゃないと感じたのかより一層凄みを利かせる
「成程な……あいつらの考えそうなことだぜ
能力には能力……だが、俺も捕まるわけにはいかねぇ!!」

突然闘う羽目になった明と良
だが相手はやる気満々である
「ヤレヤレ……」そんな言葉を漏らしつつ明と良も臨戦態勢に入った――



久し振りの更新、ちと忘れ気味^^;
本当は1話で終わらせるべきだったんだけど分けた方が楽そうだと別に(ぉぃ

無駄に話が広がると収集つかなくなるから気を付けないとなぁ(汗

まぁ何気に能力バトルは初めてか
牧村の時は逃げる手段にしか能力使わなかったし
……上手く書けるのであろうか(苦笑

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